組役:組与力同心の階級

  • 2020.07.04 Saturday
  • 03:00

1. 組与力同心の員数

 寛永八(1631)年以後、江戸の町奉行は一時(元禄十五~享保四年)三人に増えたことはあるものの、享保四(1719)年に中町奉行の坪内能登守(定鑑)が辞職し、後任が置かれないまま二人に復して以降はそれが幕末まで続きました。

 また、町奉行が南北両員に復した際に、町方組与力同心の員数も、各組与力二十五騎同心百人宛となりました。どうもこのときに、町奉行の家来二人(南北両組で計四人)の名を組与力二十五騎のうちに含めて書き出す内与力の運用も始まったようです(※1)

 延享二(1745)年には、寺社の門前町が町奉行支配となり、これを機に「用務繁激」を理由として、同心の定員増(各組百二十人宛)が認められます。但し、増員となる二十人はすべて従来の組同心の部屋住みからの採用ということになりました。これを増人同心といいます。つまり組同心の定員は各組百人宛から二十人宛増えはしましたが、同心株で数えれば、百株のままということになります。

 定員に関していえば、これが与力と同心の違いでした(同心は延享二年以降、部屋住みのうち、適齢期で十分に働ける一部の者=二十人が増人同心として員数内に数えられるようになったわけです)

 本ブログでは、特に断らない限り、この延享二年体制(つまり町奉行が南北で二名、組与力が内与力を除いて各組二十三騎宛、組同心が部屋住みの増人同心を含めて各組百二十人宛)を前提としています。なお、増人同心の俸禄は本勤の若同心(三十俵二人扶持)より少なく、二十俵二人扶持で、拝領屋敷も部屋住みが前提となるため、ありませんでした、

 

 

2. 組与力の階級

 南北両組には、壱番から五番までの番組があり、組与力同心はそのいずれかに属していました。その各番組を統括していたのが同心支配役与力で、番組ごとに一人宛、南北各組に五人宛いて、支配与力あるいは筆頭与力などとも呼ばれていたようです。また、他にも次席の与力で役付の扱いを受け、役料を支給されるケースもありました。

 支配与力以外は、員数(各組二十五騎)内の本勤与力(各与力家の当主)と員数外の見習与力(部屋住み)があり、勤務年数に応じて席順(序列)が定まっていました。

 員数外の見習与力には、従来の見習与力の外、業務量の増大に伴う人員不足の折から宿直勤務もこなせるよう、本勤並に資格が見直され、手当も増額(※2)された本勤並与力が天保九(1838)年に新設されています。また、有給の見習与力が七人までだったためか、無給の見習(無足見習)もいたようです。

 

 

3. 組同心の階級

 組同心の階級は概ね、年寄同心、物書同心、若(平)同心、見習同心の四つに分けることができます。組同心もまた、勤務年数に応じて席順(序列)が定まっていました。

 

 年寄同心には本役以外に、増年寄、年寄助、年寄格などの階級も置かれることがありました。

 物書同心には本役以外に、物書格、添物書、添物書格、添物書助などの階級も置かれることがありました。

 見習同心には、有給(年三両。十一人まで)の見習同心の外、無給の見習(無足見習)もいました。

 

 物書同心以上の特定の役付同心には役料が支給されていました(但し、南北で役料の額や人数は異なっていました)

 なお、幕末頃には年寄同心の上に、同心世話役という階級も置かれたようで、北組の隠密廻・大八木七兵衛や同じく北の隠密廻の田辺平左衛門、南組の隠密廻で鳥居甲斐守に連座して失脚した小倉朝五郎や、同じく南の隠密廻で後に与力にまで取り立てられた小林藤太郎などが任じられています。彼らの顔ぶれを見る限り、同心役ではいかに三廻り、とりわけ隠密廻に力と権威があったかが察せられます。

 

 

※1)佐久間長敬著『江戸町奉行事績問答』、東洋書院

※2)従来の見習与力が年に銀十枚の手当だったのに対し、本勤並与力の手当は年二十両に増額されました。なお銀十枚は、銀43匁/枚×10枚=銀60匁/両×7両+10匁になるとして、金七両と三朱に少し足りないぐらいでしょうか。

 

 

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