「廻り方手控」と御用飛脚

  • 2019.08.01 Thursday
  • 18:21

 元北組臨時廻同心の山本啓助が残した「廻り方手控」(『原胤昭旧蔵史料調査報告書(3)』)は、江戸から逃亡した指名手配犯たちを追跡・捕亡するため、在方出役した啓助たちの詳細な業務日誌です。同書には「飛脚」あるいは「御用̪使」「御用飛脚」「手先」などと呼ばれる人たちが多数登場します(下記)。彼らは逃亡者の立ち回り先と思われる場所へ先乗りし、探索し、場合によっては啓助たちの到着を待たずに逮捕することもありました。

 

浅草政吉、下谷幸助、小伝馬町常吉、深川平吉、芝吉兵衛、霊岸島亀吉、八町堀亀島滝蔵、

吉原町辰五郎、谷中吉蔵、本郷富八、両国常次郎、湯島亀吉、鑓屋町定吉、中橋鉄五郎、

本所松五郎、麻生寅吉、芝徳次郎、飯倉松五郎、鮫河橋安兵衛、品川政次、霊岸島亀太、

両国幸次郎、芝富蔵、浅草茅町初五郎、芝勝蔵、神田佐兵衞、浅草すし安、下谷惣吉、

本所益次郎、深川茂七、木場町仁三郎、亀島町三五郎、北島町幸平、神田代地三吉、

吉原六太郎、京橋久蔵、品川勝蔵、坂本町春吉、両国孝次郎、芝口幸七、本所民蔵、

神田岩井町清七、代地仁三郎


 同文書には、彼らへの賃金、ボーナス(褒美)、諸経費などと思われる出費が奉行所の公費から賄われている様子もしばしば記録されています。目明し・岡っ引・手先・小者・御用聞きなどという存在の使用を幕府は度々禁じています。そのせいか、二足の草鞋を履く博徒の親分や、仲間を密告する元犯罪者のイメージばかりが先行し、廻り方同心等の私的使用人という面ばかりが強調されているように感じられてなりません。しかし全国の幕府領や諸藩では公的な存在として、社会秩序の維持に寄与していたケースも少なくないように思われます。

 誰もが銭形平次のような正義のヒーローではなかったとしても、人々の暮らしを守る警察機構の末端を担う彼らの存在があったことは間違いないのではないでしょうか。

 

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